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片岡仁左衛門が文化功労者に


 平成30年度の文化功労者が発表され、日本俳優協会常任理事・伝統歌舞伎保存会理事の片岡仁左衛門が文化功労者に選ばれることが決定しました。

 この度、文化功労者という栄誉に浴しまして、身の引き締まる思いでございます。
 ただただ歌舞伎が好き。原動力は、やはり歌舞伎の魅力。そういうものから離れられなかったというか、逃げられなかったというか・・・そうして、今日まで努力してこられました。また今まで、父(十三代目片岡仁左衛門)を含め先輩方から教えていただいたことを後世に伝えなくてはいけない、そして私自身勉強していかなければいけない、という気持ちで歩んで参りました。

 舞台に立つと、どんなお役でも好きになってしまいます。その役の人物にならないとお芝居は面白くならない、人物を「演じる」のではなく、人物に「なる」ということが大事だと思います。
 そして、古典物・演技法を“掘り下げる”ことで、新しい芝居の魅力を、歌舞伎をご存じない皆様方に訴えていきたい、その努力をすることが一番大事だと思います。決して目新しいことだけではなく、掘り下げることで訴える。言い古された言葉ですが「死ぬまで修業」、我々に終点は無いのですから、とにかく体力の許す限り、歌舞伎というものを、多くの人に伝えていきたいと思っています。若い人たちにも、周りの環境の変化は著しいですが、それに乗ってはいけない、もっと歌舞伎の真髄を極めながら攻めて行ってほしいと思います。

 先輩の方々の写真や映像を拝見すると、芸も、そして人間的にも、どうしてあのラインにいけないのだろうと・・・とにかく凄い。なかなか追いつけません。
 「不逆流生(ふぎゃくりゅうせい)」という自分の言葉があるのですが、流れに逆らわず、流されるのではなくて流れを生かす、というのか私のモットーなんです。来年はどういう流れが出てくるか、挑戦という気持ちを持って、流れを生かしていきたいと思っています。