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仁左衛門が南座・顔見世興行への思いを語りました


 11月30日(土)から12月26日(木)まで、京都南座では、「 當る子歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」が上演されます。公演に先立ち、昼の部では『仮名手本忠臣蔵』「祇園一力茶屋の場」の大星由良之助、夜の部では『堀川波の鼓』の小倉彦九郎を勤める片岡仁左衛門が思いを語りました。

【片岡仁左衛門】
昼の部『仮名手本忠臣蔵』七段目では、私が由良之助を、息子の孝太郎がお軽、孫の千之助が力弥で共演いたします。歌舞伎の家に生まれて、親・子・孫の三代、この配役で七段目をやれるのは本当に嬉しい限りです。歌舞伎界でも史上初のことかもしれませんね。
由良之助は七段目が一番難しいのではないでしょうか。演技力よりも、自分の身に付いた雰囲気、体から出ていくものが舞台で物を言います。遊興に浸っている雰囲気を、作るのではなく醸し出す・・・そういうところは本当に難しいですね。
千之助が演じる力弥も、優しそうに見えて芝居の力量だけでは収まらない難しいお役です。昨年の舞台でも成長を感じましたが、今回もそれを期待しています。

夜の部『堀川波の鼓』は大変好きな演目です。このお芝居では、妻が不義をして夫が妻を殺しますが、過ちを犯した女房に対して怒りが一切ない、それが素晴らしいところ。同情して憐れんでいるが、侍として成敗しなくてはいけない…そういうところがドラマの深さです。
登場する人物、それぞれの気持ちがわからなくはない、ある意味では非常に嫌な物語ではありますが、とても綺麗なお芝居ではないでしょうか。

南座は、幼い頃から私の遊び場でもあり、物心ついて初めての劇場、遊んでお芝居して…南座には他の劇場にはない気持ちを持っています。私にとって本当の意味でのホームグラウンドです。昨年新装開場しましたが、新しくなってもなお、昔の雰囲気、趣が残ってくれたことを何よりも嬉しく思います。