忠臣蔵の起源

「仮名手本忠臣蔵」を書いたのは、近松門左衛門だった――。
膨大な資料を読み解き、史実と演劇の間隙を埋めるキーマン、綿屋善右衛門の実像を追う。
通説を覆す画期的な論考。

歌舞伎を代表する人気の演目「仮名手本忠臣蔵」。殿中松之廊下や赤穂浪士の討入りなど数々の名場面で彩られたこの演目はいかにして完成したのか。著者は、竹田出雲、並木千柳、三好松洛による合作とされてきた通説に異を唱え、近松門左衛門の作とする新たな説を提唱する。綿密な取材と文献資料をもとに、国民的劇作であり、歴史的事実としても知らぬものはいない、忠臣蔵の真実に迫る。