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春猿が鏡開き~三越劇場・初春新派公演~
1月2日(木)、三越劇場で 初春新派公演『明治一代女』が初日を迎え、開演前の三越劇場本館1階中央ホールで沢村仙枝役を勤める市川春猿ほか、出演者による「鏡開き」が賑々しく行われました。
【水谷八重子】
新派のお正月公演は何度も三越劇場で持たせていただいておりますが、例年ささやかに劇場のロビーの中で鏡開きをおこなって参りました。今年やっと夢が叶い、この華やかな1階中央ホールで開催することができました。これを機に三越劇場に大勢のお客様が続々とお集まりくださいます事を願っております。
『明治一代女』の見どころは何と言っても殺しの場、B作さんがとても情熱的で、今までの一代女とはちょっと違うものに仕上がっています。また、馴れない立役を勤められている春猿さんのご様子が、つんとしていらっしゃるようにも見え、そこが前はあんなにいい仲だった男が、今では私には何も教えてくれない、そういう男の冷たさにも通じるように感じています。
【波乃久里子】
このように大勢の皆様のお顔を見ることができ、春から縁起が良いと思っております。『明治一代女』は浜町河岸という場所で実際にあったお話です。今で言うストーカーのB作さん演じる巳之吉、私が演じるお梅と相思相愛の人気役者・沢村仙枝役の春猿さん、八重子お姉ちゃまは嫉妬する芸者秀吉を演じます。悪人ではない、ただすれ違いの中で生まれてしまった三角関係の悲しさ、本当にあったお話ですから、とても面白いと感じていただけると思います。
お芝居に出てくる言葉も素敵で、今の日本人が忘れているような言葉が沢山出て参ります。その美しいセリフを口ずさんで帰っていただけたらとても嬉しいです。
【市川春猿】
初春の新派公演に参加させていただくのは初めてで胸がドキドキしております。普段は女方でございまして、このような立役の恰好をするのも初めの事で、少し恥ずかしい思いもありますが、一所懸命舞台を勤めさせていただきたいと思っております。三越劇場の界隈でおきたお話ですから、ここで上演すると感じ方もまた違ってくると思います。この新春新派公演を皮切りに素晴らしい飛躍の年にしたいと思っております。
【佐藤B作】
お正月からこういうお芝居をさせていただくのは初めてでございます。新派は3度目になりますが、今までは喜劇でしたが今回はとてもシリアスなお芝居で、私は最後にね・・・これは言っちゃいけない(笑)。本当に素敵な役をいただきましたので精一杯つとめさせていただきます。今年初めのこのお芝居が上手くいかない限り、今年は始まりません!頑張りたいと思います。