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鴈治郎が意気込みを披露~国立劇場3月歌舞伎公演『増補忠臣蔵 -本蔵下屋敷-』
国立劇場の 3月歌舞伎公演は“四代にわたる芸の継承”をテーマに、桃井若狭之助と加古川本蔵の絆を描いた「忠臣蔵」のサイドストーリー『増補忠臣蔵 -本蔵下屋敷-』と、粋でいなせな江戸世話物の名作『梅雨小袖昔八丈 -髪結新三-』の二演目を上演します。
東京で65 年ぶりの上演となる『増補忠臣蔵』では、曾祖父初代中村鴈治郎、祖父二代目中村鴈治郎の当たり役で父坂田藤十郎も勤めた若狭之助を、当代中村鴈治郎が初役で勤めます。
【中村鴈治郎】
『増補忠臣蔵』は鴈治郎という役者で代々やらせていただいた演目です。いわゆる『仮名手本忠臣蔵 九段目』の「エピソード ゼロ」みたいな感じで、九段目が分かっていると、「ア~ッ」と納得のできる、実に楽しいお芝居だと思います。それと、本当に初代鴈治郎の好きそうな、役者本位で書いているお芝居だとつくづく思います。
若狭之助の魅力は、本蔵があって引き出されるものだと思います。武士ですが、カッとしやすく、情にも熱い男。どうしても若いイメージで取られますが、実はそれほど若くない人物だと思って創るつもりです。
演出的なことで言えば、父の時には山田庄一先生が演出をされました。今回は、いろいろと試行錯誤しながら、国立劇場の方々と考えながら、自ら作っていこうと思っております。父の時の台本とは変える部分もあるかもしません。試行錯誤しながら、やっていきたいと思っております。
父に稽古を見てくれと頼もうと思ったらハワイに行ってしまうということです(笑)。父がやったときも祖父と違うかもしれませんね。当然、初役では父の模倣になりますが、そこを何かしら違うことでやっていこうかなという意識はあります。
父はやはり女方。父が若狭之助のような役をやる時は男を凄く意識している部分が強いかもしれません。逆に、男っぽくやるというのかな、強い男を表す部分がありがちかもしれないので、そこを強調しなくてもいいのかなと思ったりもします。でも、若狭之助はどちらかというと、瞬間湯沸かし器みたいな男ですから、そういうところは当然あると思います。そういう所がありながら、本蔵に対しての思いというか、武士の情けとかいうものが全部入ってきているお芝居だと思います。そこら辺が上手くできれば良いなと思います。
この作品は九段目「山科閑居」の前日譚に当たりますので、何かしら九段目の情報を知らせる工夫があっても良いんじゃないかと思っています。九段目自体が東京ではあまりかかっていないので、舞台を実際に見たことの無い方も多いと思います。でも、本蔵がどうしてあの格好で来たかということが、これで全部分かるという、こんなに面白い芝居はある意味ほかにはありません。それこそ「スターウォーズ」ですね。「あ~、ジェダイはこうだったんだ」というのが分かる。それに近いものが、この作品の中には間違いなくあるわけです(笑)。それを何かしらの方法で、皆さんに分かってもらえたら良いなとは思っています。
四代続く鴈治郎らしさとは・・・鴈治郎がやっているという事ではないでしょうか。誰にも「鴈治郎やな」「鴈治郎はん」って認めていただくこと、お客様に納得していただけることだと思います。初代は名前を継がせる気がない、二代目も自分だけと思っていたかもしれません。特に父は藤十郎になりたかった人ですし、それぞれ全く違う鴈治郎ですよね。そんな名前の役者がいてもいいんじゃないかな。
『髪結新三』との組み合わせは面白いかもしれません。こちらは時代物だけど、時代物っぽくないところもあるし、世話物でも新三は独特ですしね。時代物と世話物、両方を楽んでいただけるということは嬉しいことです。
『増補忠臣蔵』は鴈治郎という役者で代々やらせていただいた演目です。いわゆる『仮名手本忠臣蔵 九段目』の「エピソード ゼロ」みたいな感じで、九段目が分かっていると、「ア~ッ」と納得のできる、実に楽しいお芝居だと思います。それと、本当に初代鴈治郎の好きそうな、役者本位で書いているお芝居だとつくづく思います。
若狭之助の魅力は、本蔵があって引き出されるものだと思います。武士ですが、カッとしやすく、情にも熱い男。どうしても若いイメージで取られますが、実はそれほど若くない人物だと思って創るつもりです。
演出的なことで言えば、父の時には山田庄一先生が演出をされました。今回は、いろいろと試行錯誤しながら、国立劇場の方々と考えながら、自ら作っていこうと思っております。父の時の台本とは変える部分もあるかもしません。試行錯誤しながら、やっていきたいと思っております。
父に稽古を見てくれと頼もうと思ったらハワイに行ってしまうということです(笑)。父がやったときも祖父と違うかもしれませんね。当然、初役では父の模倣になりますが、そこを何かしら違うことでやっていこうかなという意識はあります。
父はやはり女方。父が若狭之助のような役をやる時は男を凄く意識している部分が強いかもしれません。逆に、男っぽくやるというのかな、強い男を表す部分がありがちかもしれないので、そこを強調しなくてもいいのかなと思ったりもします。でも、若狭之助はどちらかというと、瞬間湯沸かし器みたいな男ですから、そういうところは当然あると思います。そういう所がありながら、本蔵に対しての思いというか、武士の情けとかいうものが全部入ってきているお芝居だと思います。そこら辺が上手くできれば良いなと思います。
この作品は九段目「山科閑居」の前日譚に当たりますので、何かしら九段目の情報を知らせる工夫があっても良いんじゃないかと思っています。九段目自体が東京ではあまりかかっていないので、舞台を実際に見たことの無い方も多いと思います。でも、本蔵がどうしてあの格好で来たかということが、これで全部分かるという、こんなに面白い芝居はある意味ほかにはありません。それこそ「スターウォーズ」ですね。「あ~、ジェダイはこうだったんだ」というのが分かる。それに近いものが、この作品の中には間違いなくあるわけです(笑)。それを何かしらの方法で、皆さんに分かってもらえたら良いなとは思っています。
四代続く鴈治郎らしさとは・・・鴈治郎がやっているという事ではないでしょうか。誰にも「鴈治郎やな」「鴈治郎はん」って認めていただくこと、お客様に納得していただけることだと思います。初代は名前を継がせる気がない、二代目も自分だけと思っていたかもしれません。特に父は藤十郎になりたかった人ですし、それぞれ全く違う鴈治郎ですよね。そんな名前の役者がいてもいいんじゃないかな。
『髪結新三』との組み合わせは面白いかもしれません。こちらは時代物だけど、時代物っぽくないところもあるし、世話物でも新三は独特ですしね。時代物と世話物、両方を楽んでいただけるということは嬉しいことです。