Home > トピックス一覧 > 坂東竹之助が自主公演、第一回「竹之助の会」を開催

トピックス

坂東竹之助が自主公演、第一回「竹之助の会」を開催

 
 8月4日(土)に大阪・大丸心斎橋劇場で、坂東竹之助自主公演第一回「 竹之助の会」が開催されます。6月13日(水)に記者懇親会が開かれ、坂東竹之助と、竹之助の師匠で会にも出演する坂東竹三郎が出席して意気込みを語りました。

【坂東竹三郎】
 竹之助が私の門下になってから15、6年になります。私も何回か自主公演をやってきましたが、本当に大変なことでございます。いつか竹之助にもやらせなければいけないと思いながら、なかなか機会がなく時が過ぎてしまいました。この度、私の元気なうちにやらせようと思い話をしたところ、本人もやるということなので「第一回竹之助の会」を催すことになりました。

 自主公演をすることによって、本公演での芝居が変わってきます。自分で主役をやってみて初めて脇役の大切さがわかったり、芝居全体のことが見えてくるようになります。この公演を通して自信を持ってもらえれば良いと思います。竹之助は女方で年増の方が似合うと思うので、早く中年の女性が演じられるようになって欲しいですね。



【坂東竹之助】
  8月4日に自主公演「竹之助の会」を第一回目として開催させていただきます。師匠は若い頃から自主公演をされてきて、そのお話を伺っており、いつか自分もやってみたいとは思っておりました。やりたいと思って、すぐできるものではございません。本当に、この機会を与えてくださいました師匠には感謝する次第でございます。

 松竹上方歌舞伎塾に入って、大阪の役者になるべく育てていただきました。ですから、自主公演をやるからには大阪の芝居をやりたいと思いました。また、師匠からは「なるべく珍しいものでお客様の関心を引き付けなさい」と教えていただいており、その意思を継いで、今回の『歌しぐれ』『雷の道行』というものを選ばせていただきました。
 『歌しぐれ』は75年振りに上演させていただきます。大阪の作家であられる郷田悳先生が大阪の役者の為に描かれた大阪のお芝居で、昭和13年1月中座の初演以降5~6回上演されましたが、昭和18年12月の南座顔見世を最後に上演されていません。古典ではありませんが、このような作品を残していくことが私の今できることではないかと思いまして選びました。出演は上村吉弥さん、松竹新喜劇の曾我廼家八十吉さん、上方落語の桂九雀さんです。私自身、大阪の芝居を体現したいと思いましてもまだまだ力が足りませんので、いろいろな角度から皆様の知っている“大阪の匂い”を勉強させていただきたいと思い、皆様にお願いをいたしました。派手さはないですが、こういう「ハートのお芝居」が好かれる町であって欲しいという思いもあります。
 『雷の道行』は、師匠が家元を勤められている東山村流は新内の舞踊が多くて、今回、そこからいろいろと探して選びました。公演が夏なので良いかなと思いましたが、これを舞台で上演されているのを見たことがないので非常に珍しいものだと思います。全くのゼロの状態から、今回一緒に踊らせていただく藤間涼太朗君と創らせていただきました。

 舞台やお芝居を一から創るというのは、本当にいろいろな人が関わっていらっしゃるということに凄く驚きを感じています。本公演に出させていただいている時に、いかに自分が恵まれているかということを痛感しております。師匠の話をただ聞くのと、自主公演をやって話を聞くのでは全く違います。弟子である以上は、師匠の背中に一ミリでも近づきたいので、何とかこの公演を成功させて第一歩を踏み出したいと思います。