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尾上右近が自主公演、第四回「研の會」を開催

 尾上右近の自主公演「 研の會」が8月26日(日)・27日(月)に国立劇場小劇場にて開催されます。第四回目を迎える今年は、中村壱太郎をゲストに迎えて『封印切』『二人椀久』を上演します。6月13日(水)に都内にて記者懇親会が開かれ、尾上右近が公演への思いを語りました。

【尾上右近】
 「研の會」も早いもので4回目となりました。今回、ご出演いただく(中村)亀鶴さん、壱太郎さん、(嵐)橘三郎さん、(上村)吉弥さんと皆様のお力添えを賜りながら精一杯勉強をしながら勤めさせていただきたいと思っております。

 『封印切』は(坂田)藤十郎のおじ様の忠兵衛にずっと憧れていて、いつかやりたいと思っておりました。今回は、是非、成駒家型でさせていただきたいと思い、(中村)鴈治郎のおじ様にご相談して教えていただけることになりました。また、ご子息の壱太郎さんにもご出演いただけることになりました。関西のお芝居ですので、上方の匂いですとか雰囲気を追及していくことが第一かなと思います。実は、関西弁でセリフをしゃべったことがありません。関西弁で捨て台詞が中々出ないので・・・関西弁の捨て台詞を、ぽろっと、さりげなく出てくるまで習得するには、皆さん難儀すると聞いておりまして、ましてや関東の人間ですので、まずは関西弁と関西の雰囲気を出していけたらなと思っております。

 『二人椀久』は初代の尾上菊之丞先生の振付で、当代の菊之丞先生にご指導いただいて上演させていただきます。こちらも、壱太郎さんと一緒に踊りたいので、是非、『二人椀久』をやりたいということで決めました。これは、いずれ本興行で上演させていただきたいという夢を実現させるサクセスストーリーのつもりで勤めさせていただきます。すごく華やかな踊りですけれども、その中に男の心情というもの、男女の恋愛の中の心情というものが色濃く映し出されている踊りです。そういう踊りは経験がないので、今回は内面的なものが問われるのかなと思います。

 今年は両方とも立役の役ですが、特にこだわりはなく、今の自分が勉強した方が良いのではないかと思う演目を優先して考えています。そこは、お客様に見ていただきたいものと、自分が勉強したいものとのせめぎ合いです。自主公演だから好きなものをやれば良いということですが、その中でも難しいものを選んでしまうという自分の性格というか、危険な方へ、安全ではない道に行きやすい性格だなということをつくづくと感じています。女方を楽しみにしてくださっている方には大変申し訳ございませんが、今回は男の自分を見てください(笑)。