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京都四條南座「吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」製作発表が行われました


 2年9ヶ月に及ぶ大規模改修工事を経て、本年11月に南座が新開場します。3年ぶりの「 吉例顔見世興行」は高麗屋三代襲名披露という慶事が重なる幕開けです。7月28日、京都にて製作発表が行われ、出演の松本白鸚松本幸四郎市川染五郎が公演へ向けての思いを語りました。

【松本白鸚】
 11月に新装開場となる京都南座で、三人揃っての襲名披露興行をさせていただきます。今年の1月・2月の歌舞伎座、4月の名古屋御園座の新装開場、6月に博多座、7月は大阪松竹座ということで、約半年間という長丁場ではございましたけれども、最後は思い出のいっぱい詰まった「顔見世興行」で締めくくらせていただきます。

 今まで半年間三代襲名をさせていただいて思うことは、奇跡というのは手をこまねいて待っているのではなく、皆で起こすものだということを確信いたしました。裏方のスタッフのお一人に至るまで、本当に一生懸命この襲名を支えてくださいました。そして、とうとう・・・ついに奇跡の終幕、南座「顔見世興行」での襲名披露ということになりました。どうぞ、皆様方お一人でも多く、南座の方へ足をお運びくださいますようにお願い申し上げます。


【松本幸四郎】
 この度、幸四郎を襲名させていただきまして、父(白鸚)と倅(染五郎)と共に三代で、京都南座におきまして襲名披露興行をさせていただくこととなりました。4月の御園座も新装開場で、まず最初の公演で襲名披露興行をさせていただきました。これもありがたいことでございますが、この南座においても最初の公演に襲名披露興行をしていただけること、本当に幸せなことだと思っております。

 昼の部は『連獅子』を倅と共にさせていただきます。夜の部では『勧進帳』で弁慶を勤めさせていただきます。今年三度目となり、初演から数えて今回で四度目となります。ちょうど南座の千穐楽を無事に迎えることができれば100回ということになります。回数ではございませんが、これがひとつの大きな区切りとなる興行になりますし、私にとっても大きな区切りとなる回数になりますので、『勧進帳』を精一杯勤め切る気持ちで勤めさせていただきます。また、『雁のたより』にも出演させていただきます。

 先代の南座の新装開場の時に、私は染五郎として南座初御目見得をさせていただきました。そしてまた新たな南座の時には、今度は幸四郎として初御目見得をさせていただくという、とても深い縁を感じる劇場でございます。
 南座は古典はもちろんですが、復活狂言、新作、創作舞踊などをやらせていただきました劇場です。私のイメージしている京都というのは“パンク”というイメージがございます。新しいものに対して、とても信念を持った、ロックな場所ではないかと思っております。伝統を大事にする場所ではありますが、それをただ単に守るだけではなく、新しいものを、歴史を創り上げていく場所ではないかと思っております。その最初の1ページとして恥じぬ舞台を勤めさせていただければと思っております。


【市川染五郎】
 今年の1月・2月に東京歌舞伎座におきまして八代目として市川染五郎を襲名させていただきました。京都南座でも襲名披露興行をさせていただくこととなりました。地方で一ヶ月公演をさせていただくというのは初めての経験で、慣れないこともあるとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 昼の部の『連獅子』は父(幸四郎)とやらせていただきます。親獅子が仔獅子を崖から突き落としますが、親獅子を崖から突き落とす勢いでやりたいと思います。夜の部の『勧進帳』では義経を勤めさせていただきます。父からは『勧進帳』は義経が主役だと言われました。義経がいないと起こらない物語だから義経が主役だということで、それを意識してやらせていただいてます。11月の『勧進帳』では、今までダメだったところを全部直していきたいと思っています。