京都・南座 新作歌舞伎『NARUTO-ナルト-』で巳之助、隼人らが意気込みを披露
昨年8月、東京・新橋演舞場で上演された新作歌舞伎『NARUTO-ナルト-』が、京都・南座にて6月2日(日)~26日(水)まで上演されます。
メインキャラクターの“うずまきナルト”と“うちはサスケ”を勤めるのは、坂東巳之助と中村隼人。ナルトとサスケに立ちはだかる最強の敵“うちはマダラ”を南座新キャストとして中村梅玉が勤めます。
公演に先立ち、製作発表で巳之助、隼人らが意気込みを披露しました。
昨年8月に新橋演舞場で上演し、すぐに、関西育ちの自分にとって憧れの劇場である京都・南座でも上演できる、こんなに嬉しいことはありません。『NARUTO』はとても大変な作品で、山にたとえると“ヒマラヤ級”ですが、とてもやりがいがあります。今回の公演に改めて携わり、“ヒマラヤに2回登る人”の気持ちが分かる気がします(笑)。
巳之助さん、隼人さんの力を得て、黒御簾音楽とロックが同時にかかったり、衣裳も洋装・和装など、日本と西洋の“ない交ぜ”が生まれました。歌舞伎には“ない交ぜ”が昔からあるので、いいものを取り入れて自分のエネルギーにしていくという歌舞伎の精神に外れなければ、きっといいものになります。前回感じたことをひたすらブラッシュアップし、評判を得た場面をより良くグレードアップしたバージョンにしたいと思っています。
【坂東巳之助】
南座公演が近づいて参りました。先日G2さんと南座公演に向けた1回目の打合せをしましたが、気がついたら序幕の打合せだけで3時間経っていて・・・(笑)。さらに改善点や変更点を精査して、南座のための『NARUTO』を改めて創る意気込みです。
今回は、梅玉さんが“うちはマダラ”に出演してくださいます。新橋演舞場での舞台をご覧になって出演を快諾していただいたと聞き、心強くありがたく、うれしく思っています。一人の観客としても、どう勤められるのか・・・とても楽しみです。
立廻りも多く、忍者が舞台を縦横無尽に走り廻ります。南座で観て一番良い形の、新しい立廻りを創っていきたいですし、ナルトの心の強さ、人を勇気づけ引っ張る強さが舞台に表れたらよいなと思っています。
【中村隼人】
『NARUTO』大ファンの私は、昨年8月の新橋演舞場で、幸せを噛みしめておりました。そして今回は南座での再演、前回よりパワーアップして進化させなくてはいけないというプレッシャーもありますが、南座新開場記念そして歌舞伎発祥の地で、このメンバーで再演できることをとても嬉しく思っています。
前回の舞台では原作の岸本斉史先生に「サスケの闇が表現されていてうれしかった」と声を掛けていただきました。やり場のない怒りをどこに向けていいか分からないサスケの矛盾、それを皆様にも納得していただけるように勤めたいと思います。
6月10日夜の部は、外国の観光客の方にもご覧頂けるように、18時開演となっています。観光を楽しんだ後にぜひ足を運んでいただき、海外への発信となればと願っています。