松緑、松江、亀蔵、新悟が意気込みを披露~国立劇場 7月歌舞伎鑑賞教室

2019.06.04 発表・会見

 国立劇場 7月歌舞伎鑑賞教室の上演に先立ち記者会見が行われ、尾上松緑中村松江坂東亀蔵坂東新悟が意気込みを披露しました。

【尾上松緑】
 8年振りに歌舞伎鑑賞教室に出演いたします。鑑賞教室で初めての『菅原伝授手習鑑 ― 車引 ― 』では松王丸を初役で、『棒しばり』では次郎冠者を勤めます。学生の方々も楽しめる演目です。『車引』は隈取り、見得など荒事の様式美を楽しんでいただきたいです。また、『棒しばり』は分かりやすい舞踊ですのでリラックスして見ていただきたいと思っています。
 『車引』の松王丸を教えていただく白鸚さんから、父・辰之助の“息”をまねるように、そこが大切だと指導していただいています。梅王丸・桜丸を胸板で受け止める“圧”を見せられたらと思っています。
 『棒しばり』では、次郎冠者を何度か勤めていますが、相手との息の合わせ方が大切です。亀蔵さんは同じ菊五郎劇団でコンビのように踊っているので、稽古でもスーッと入っていくと思います。酔っぱらう演技の計算が見えてはいけない、自然に見えるように。どのような化学反応が起こるか今から楽しみです。

【中村松江】
 衣裳も華やかでインパクトのある『車引』、そして『棒しばり』はわかりやすい舞踊劇ですので、歌舞伎は難しいと思っている方にも、きっと楽しんでいただけると思います。
 『車引』の雰囲気というのは分かっておりますが、藤原時平はまさに“ボスキャラ”、大きく見えなくてはいけません。『棒しばり』の大名も位の高いお役ですので、お芝居をうまくまとめられるように、きっちりと勤めたいと思っています。
 左近さんと、息子の玉太郎が杉王丸を交互で出演します。先輩の芝居をそばで見ることのできるチャンスですので、この経験をいかしてもらいたいと思います。

【坂東亀蔵】
 『車引』の梅王丸は父・楽善に指導していただきますが、被っている編笠をとるまで、いかに抑えて“爆発力”をどう伝えるかが大切、考えすぎると荒事の面白さが出ないとうかがっています。
 『棒しばり』の太郎冠者も初役です。こういう舞踊では共演する松緑さんとの普段の関係性が出るので、それも楽しんでいただきたいと思っています。

【坂東新悟】
 歌舞伎の幅の広さを伝えるには、とても良い演目です。楽しみ方を伝えられるような面白い解説にしたいと思っています。今回は玉太郎くんと二人ですので、とても心強く楽しみにしております。
 『車引』では桜丸を初役で勤めます。松緑さん、亀蔵さんと三兄弟に見えなくてはいけません。臆せずに挑みたいと思っています。