猿之助、隼人が意気込みを披露~「スーパー歌舞伎II(セカンド) 新版オグリ」
10月・11月、新橋演舞場で好評を博した『スーパー歌舞伎II(セカンド) 新版オグリ』が、2月博多座、3月京都南座で上演されます。小栗判官/遊行上人を交互出演で勤める市川猿之助・中村隼人が意気込みを披露しました。
【市川猿之助】
博多座、南座ともに他県から遠征で来られるお客様も多いので、時間短縮を目指しながら内容も凝縮させたいと思っています。このお芝居は「幸せとは何か」がテーマ。人を不幸にしてそれに喜びを感じているなら、それは本当に幸せなのか・・・本人が幸せなら良いのかを皆さんに問いたい。「幸せとは何か」「本当に今の生き方で良いか」を感じながらぜひ観ていただきたいです。
隼人さんのオグリはまさに等身大。飛ぶ鳥を落とす勢いの若さが役の魅力と重なってとても清々しいですね。三幕では人生経験の差から、私の方が説得力があると思うし、交互出演でお互いの良さが舞台に出ているなと感じています。今回はあまりオグリが目立たないように、そこに出てくる仲間を演じている若手の個性を大切にしたいと思っていました。皆の目が生き生きしていて本当に素晴らしいので、そういうところも楽しんでいただきたいと思います。
【中村隼人】
オグリの若々しさにとても共感していますし、我が道を行くという姿は自分に入ってきて演じやすいです。猿之助さんのオグリはまさに“兄貴的”で私も付いていきたくなります。全てを失った絶望感、餓鬼病になったときの空気感、さらに遊行上人で感じる厳しい修行の末の悩みに近づいていきたいと思っています。
舞台の鏡で、客席から360度観られるのは初めての経験です。よく背中に役が出るといいますが、鏡の中の広い空間を芝居で埋める、それをどうするかを考えながら演じています。
二幕目で人々が誹謗中傷するところなど、現代のネット社会にも重なり、そういうツールを自分たちが既に持っているということを感じてほしいです。そして「人に喜びを与えられるような人生を送っているか」そういう事を思うきっかけにしてもらいたいと思っています。