海老蔵と勸玄君が意気込みを披露~歌舞伎座 襲名披露狂言発表会見
2020年5月・6月・7月に歌舞伎座で行われる、市川海老蔵改め十三代市川團十郎白猿襲名披露、八代目市川新之助初舞台の狂言が発表になり、市川海老蔵、堀越勸玄が意気込みを披露しました。
当年、十一代目市川海老蔵改めまして十三代市川團十郎白猿を襲名させていただきます。私は『勧進帳』『助六由縁江戸桜』『暫』『押戻し』『男伊達花廓』『山姥』『景清』、そして『口上』を勤めさせていただきます。
『勧進帳』は七代目團十郎が創った演目で、山伏問答など難しい言葉も多いのですが、“判官びいき”というものを中心に、人を助けていく姿、命がけでそこに向き合う男の姿と、團十郎を襲名する私の姿が重なるようにできたらいいなと思っています。
『暫』は海老蔵襲名でも勤めましたが、その時とは全く心境が違います。傍にいてくれた父(十二代目市川團十郎)がいないことに心細さを感じますし、今回は自分が父という立場ですから…至らぬことだらけですが、自分のできることを背伸びせずにやっていきたいと思います。
7月は襲名としては初めての三部制です。『押戻し』は一つの作品ではありませんが、『道成寺』の中でという演目の出し方も良いと思っています。次の時代への“歌舞伎へのアプローチ”を踏まえての7月公演にしたいと思います。
倅、堀越勸玄改め八代目市川新之助は『外郎売』と『山姥』『口上』に出演します。
昨年の『外郎売』では、私が付き添っていましたが、新之助の演目にしてもらいたいという気持ちを込めて、今回は一人で勤めてもらいます。かなり大変なことで、まさに“違うハードル”です。それを勉強してもらいたいですし、お客様にも成長を見守っていただきたいと思います。
『山姥』の怪童丸は、祖父・十一代目市川團十郎も初舞台で勤めたお役で、大変ゆかりのある演目となっています。
市川團十郎白猿という名は、五代目團十郎の申したように、先人達にはまだ及ばぬ、先人に追いつけるように、そして自分の中でその気持ちを忘れないようにしたい、という思いでつけさせていただきました。私で團十郎家も十三代になります。「12時間、十二支、12星座」など、物事には12になると一度“1”に戻るものも多く、13人目ということには“原点回帰”という意味も含まれるのではないでしょうか。新しい一歩を踏み出すんだ、という気持ちで臨んでいきたいと思います。
勸玄君は「今年、市川新之助を襲名いたします。外郎売と『山姥』の怪童丸を勤めさせていただきます。どうぞよろしくお願いします」と挨拶。
外郎売を一人で勤める心境を尋ねられると「難しそうですが頑張ります。一人でも寂しくありません!」と元気に答えていました。
「五月大歌舞伎」 3日~27日(15日は休演)
【昼の部】
『歌舞伎十八番の内 勧進帳』
武蔵坊弁慶 團十郎
【夜の部】
『十三代目市川團十郎白猿襲名披露 口上』
團十郎
『歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜』
花川戸助六実は曽我五郎 團十郎
「六月大歌舞伎」 1日~25日(12日は休演)
【昼の部】
『十三代目市川團十郎白猿 八代目市川新之助 襲名披露 口上』
團十郎
新之助
『歌舞伎十八番の内 暫』
鎌倉権五郎景政 團十郎
【夜の部】
『歌舞伎十八番の内 外郎売』
外郎売実は曽我五郎 新之助
『歌舞伎十八番の内 勧進帳』
武蔵坊弁慶 團十郎
「七月大歌舞伎」 1日~20日
【第一部】
道成寺『歌舞伎十八番の内 押戻し』
大館左馬五郎 團十郎
『男伊達花廓』
五郎蔵 團十郎
【第二部】
『山姥』
山樵斧蔵実は三田仕 團十郎
怪童丸後に坂田金時 新之助
『歌舞伎十八番の内 景清』
悪七兵衛景清 團十郎
【第三部】
『歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜』
花川戸助六実は曽我五郎 團十郎