澤村田之助さんご逝去
重要無形文化財保持者(人間国宝)で日本俳優協会参与・伝統歌舞伎保存会会員の歌舞伎俳優の澤村田之助(さわむら・たのすけ、本名:山中宗雄=やまなか・むねお)さんが、令和4年6月23日(木)午後9時46分、肺炎のため都内の病院にてご逝去されました。享年89歳。ご葬儀・告別式は家族葬で執り行います。
【略歴】
1932年8月4日生まれ。五代目澤村田之助(初代曙山【しょざん】)の長男。41年3月歌舞伎座『先代萩』の鶴千代ほかで四代目澤村由次郎を名のり初舞台。64年4月歌舞伎座『矢口渡』のお舟ほかで六代目澤村田之助を襲名。
七代目尾上梅幸や六代目中村歌右衛門の薫陶を受けた女方として品格と風格のある芸をみせる。後年は、永年積み重ねた実力と芸域の広さで、二枚目立役、老け役まで幅広く演じていた。
女方では『源平布引滝』小万、『神明恵和合取組』辰五郎女房お仲、『人情噺文七元結』お兼、『廓文章』女房おきさなど。二枚目立役では『矢の根』曽我十郎、『梅雨小袖昔八丈』白子屋手代忠七など。老け役では『伽羅先代萩』栄御前、『双蝶々曲輪日記』お幸、『摂州合邦辻』女房おとく、『雪暮夜入谷畦道』按摩丈賀などを演じる。
96年度芸術選奨文部大臣賞。97年紫綬褒章。99年10月『音菊天竺徳兵衛』の梅津掃部元春で国立劇場優秀賞。2000年第二十一回松尾芸能賞特別賞。2000年度日本芸術院賞。02年重要無形文化財保持者(人間国宝)。13年旭日小綬章。
謹んでご冥福をお祈りいたします。